DXレポート

DX 推進指標 自己診断結果 分析レポート(2020/5/28)

https://www.ipa.go.jp/files/000082544.pdf

たった?272件の回答、かつすでに1年くらい経っているけど、

業種

  • 製造業が多い
  • 不動産業が少ない
  • 教育・学習支援業が少ない
  • 公務が少ない
  • 水産・農林業が少ない
  • 金融業が少ない

というか、

  • 製造業
  • 情報通信業
  • 電気・ガスなど
  • 卸売・小売業
  • サービス業

以外は少ない。

規模

そもそも100名以上の会社が9割以上なので、どうなんだろうと思ったりする。

「DXレポート2」解説

https://www.sbbit.jp/article/cont1/51187?ref=210119bittsed

「DXレポート」を2018年9月、今から3年ほど前に発表している。

DXレポート「1」の課題

* 既存システムが、事業部門ごとに構築されているため、全社横断的なデータ活用ができていない。
* 既存システムが、標準システムに過剰なアドオンやカスタマイズをして構築されているため、複雑化・ブラックボックス化されている。
* データ活用を実現するための既存システムの改修や、データ活用のための業務の見直し要求に対する現場の抵抗が大きい。

DXレポート「1」の解決策

* 既存システムのブラックボックス状態を解消し、データをフル活用できる状態にすること。
* デジタル技術を導入し、デジタルネイティブ世代の人材が中心となり、新ビジネス創出とグローバル展開を進めること。

DXレポート2(2020/12/28)

「DXレポート2」は2020年末に「中間取りまとめ」として報告されている。

エグゼクティブサマリ

DXレポートサマリの3,4ページ。

* 2018年にDXレポートで2025年までにデジタル企業への変革を完了させることを促した
* 企業内外から政策を展開した
* 自己診断結果収集したところ、DXへの取り組みが不十分だとわかる
* そもそもDXレポートのメッセージが正しく伝わっていない
* コロナ禍で人々の固定観念が大きく変化している今が変革の絶好の機会である
* 個社だけの実現ではなく、パートナーシップの構築が重要
* ベンダー企業の受託開発型のビジネスモデルからの脱却も必要

特に、パートナーシップの構築受託開発型のビジネスモデルからの脱却というのは重要だと思う。

いわゆる、不確実性の高いVUCAの時代においては。

DXの現状認識

「DX=レガシーシステム刷新」、「現時点で競争優位性が確保できていればこれ以上のDXは不要である」という誤解がある。

DXの本質は、「事業環境の変化に迅速に適応する能力を身につけ、企業文化(固定観念)を変革(レガシー企業文化からの脱却)すること」である。

政府側もデジタル庁作って頑張ろうとしてるけど、この本質をやっていくのがどれだけ難しいことか・・・

しかも大企業になればなるほど難しい・・・

企業の目指すべき方向性

Amzaon、ユニクロはECで増収を発表しているように、デジタル技術の活用が必須である。

常に変化する事業環境に対応して、「素早く」変革「し続ける」能力が重要である。

言うは易し行うは難し。

ベンダー企業の目指すべき方向性

現行ビジネスの維持・運営から脱却する覚悟を持ち、価値創造型のビジネスを行うと言う方向性に舵を切るべき。

ITシステムの迅速な更新が必要。

ウォーターフォールではなく、アジャイル型の開発を採用しないと、事業環境の変化に対応できない可能性が高い。

米国では、ユーザ企業、ベンダー企業との分野の境目がなくなる形で変換が加速している。

新たなベンダー企業像は以下の4つ。

1. ユーザ企業の変革を共に推進するパートナー

2. DXに必要な技術・ノウハウの提供主体

3. 協調領域における共通プラットフォーム提供主体

4. 新ビジネス・サービスの提供主体

「2. DXに必要な技術・ノウハウの提供主体」は、いわゆる「高度な専門知識・知識の集団」のことと考えると、すでにある分野で特化している企業と立ち向かうのは困難に思える。

「3. 協調領域における共通プラットフォーム提供主体」は、そもそもプラットフォームを構築して維持・運用・改善していくのができないので「ベンダー」なわけで、ここに変化するのは非常に難しい気がする。

「4. 新ビジネス・サービスの提供主体」については、上記同様ユーザ企業に乗っかるからこそ「ベンダー」なわけで、「社内ベンチャー」を推進していくような仕組みを作ったとしても企業文化が足枷になり、ここに変化cloudsign数るのも非常に難しいように思える。

そう考えるとベンダー企業としては、「1. ユーザ企業の変革を共に推進するパートナー」というのが想像しやすい。小さな企業は小さな企業でその企業文化が気に入っているのでそこにいるわけであって、企業文化が変わってしまうと人が去っていき事業継続が難しくなることも考えられるし、大きな企業は大きな企業で企業文化を変えるというのは時間もかかってくると思われる。

結局は「覚悟」なのかな。

企業の経営・戦略の変革の方向性

ファーストステップとしては以下が挙げられる。

* 業務環境のオンライン化
* 業務プロセスのデジタル化
* 従業員の安全・健康管理のデジタル化
* 顧客接点のデジタル化

短期的対応としては以下が挙げられる。

* DX推進体制の整備
* DX推進に対する共通理解(アジャイルマインド、心理的安全性の確保など)
* CIO/CDXOの役割・権限等の明確化
* 遠隔でのコラボレーションを可能とするインフラ整備
* DX戦略の策定
* 業務プロセスの再設計
* DX推進状況の把握

中長期的対応としては以下が挙げられる。

* デジタルプラットフォームの形成
* 産業変革のさらなる加速(ユーザ企業とベンダー企業の新たな関係。共育/共創のビジネスパートナー。労働への対価ではなく価値への対価。)
* DX人材の確保(副業・兼業の許可、リカレント教育、など。)


受託開発型からのベンダー企業からの脱却として、「共育/共創のビジネスパートナー」というのは非常に重要なポイントに思える。

受託開発においても、クライアントの業務を知ることは重要視されていたが、より「共育/共創」の意識「当事者意識」を持ってパートナーシップを構築することが重要になってくると思われる。

ユーザとベンダーの関係を労働への対価ではなく価値への対価とすることも非常に難しいように思える。瑕疵担保責任、改め契約不適合責任もあるように法律との関連も重要なポイントな気がする。

政府の政策の方向性(事業変革の環境整備)

* DX事例集、DX共通理解のためのポイント集を作る。

* CxOの役割定義をする。
* Chief Intelligence Officer(情報活用による経営戦略の創造)
* Chief Innovation Offiicer(全車横断のビジネス変革)
* Chief Information Officer(ITガバナンス確立)
* Chief Information System Officer(情報システムの最適化)

* DXの成功パターンを策定する。
* 組織戦略(ジョブ型人事、CIO/CxO強化、内製化、理科練と教育、リモートワーク環境整備)
* 事業戦略(両利きの経営。新たな価値の創出と組織内の生産性向上と働き方の変革)
* 推進戦略(デジタイゼーション>デジタライゼーション>デジタルトランスフォーション)

* プラットフォームデジタル化指標を策定する。

事例集作っても、時間かかるから意味ないんじゃないかな・・・そしてその頃には事業環境が変わってしまっているんじゃないかな。

DXの成功パターンを策定する、って、成功って何をもってするんだろう。上記の通りそれも時間かかるし。。。

政府の政策の方向性(デジタル社会基盤の形成)

* 業界内の他者と協調領域を合意形成して、共通プラットフォームを構築し、エコシステムの構築を最終的なゴールとする。

* デジタル企業同士が横連携してエコシステムを形成できるデジタルプラットフォームを形成することが重要で、デジタルアーキテクチャデザインセンターを設立して、専門家の育成を進めている。

アメリカとかはここら辺も政府主導なんだろうか・・・

政府の政策の方向性(産業変革の制度的支援)

* IT導入補助金。

* ベンダー企業の競争力を定量的、または定性的に計測できる指標を策定する。

* DX投資促進税制、中小企業向けDX推進指標の策定、DX認定企業向けの金融支援。

* 研究開発税制の見直しなどをすることで、経済のデジタル化への対応を進める。

補助金や税制優遇などは企業が利用しやすいものであればうれしいかぎりだけど、その申請に手間と時間がかかるのであれば、コアビジネスに注力した方がよかったりもする。

政府の政策の方向性(人材変革)

社会全体としてリカレント教育の仕組みを整備していくことが重要。

教育系サービスは様々あるが、若年層だけでなく「教育」「学習」は非常に重要になってくると思われる。

まとめ

ユーザ企業はユーザ企業で、なかなか外の意見を聞きづらい状況だったり、「外」の意見はいわゆるコンサルタントと言われる方々が話すものだったりして高額になりがちで、結局慣れ親しんだベンダーの意見しか聞かない感じになったりで、特に日本はDXを推進しづらい環境なんだろうなと感じる今日この頃。

ベンダー企業はベンダー企業で、多少技術力があったところで日本の商習慣やユーザ企業の受託開発契約にしたがる傾向もあってビジネスパートナーとしての変革も難しかったりするなと感じる今日この頃。

そういう意味だと、ベンダーとしては中途半端な技術力じゃなくて、圧倒的な技術力や知識を持ってユーザ企業と接していく必要があるし、VUCAの時代において「共」にDXを推進して、価値を発揮していくことが重要なんだろうなと思った次第。