ボットにも人格を持たせよう

対話システムで発話内容に一貫性を持たせようというお話
Personalizing Dialogue Agents: I have a dog, do you have pets too?

近年Seq2Seqモデルなどに代表されるいくつかの仕組みは対話システムとしてある程度の成功を収めていると言える
しかしその学習で用いられる大量の対話データは異なるスピーカのものであり一貫したパーソナリティが育まれない
また一般的には明示的な対話履歴から発話内容を生成するので多くが「分からない」という回答になりがちでもある
そういったことから実際に対話してみると不満足であった

この問題が解決されない理由として一般的に殆ど雑談を学習するためのデータセットが公開されていないことがある
そのため雑談用の対話システムは無視され航空機やレストランの予約などのタスク指向の対話システムが重視された
しかしながらTwitterの分析でも分かる通り人々が行う対話の殆どは質問などのタスク指向ではなく雑談であるのだ
そしてここでいう雑談は実に個人的な関心に基づいている

今回の研究ではプロファイル情報の調整によって対話システムにペルソナを与え魅力的にするという課題を提示した
クラウドソーシングで多くの人物のプロファイル情報を収集して語彙が偏らないよう別の人がその書き換えを行った
このプロファイル情報は複数のテキストデータにエンコードされメモリ拡張型ニューラルネットワークに格納される
それを元に更に多くの対話を収集してプロファイル情報にAttentionを張ったシンプルなモデルで学習を行ったのだ

これらの実験ではペルソナを持った対話システムが個人的で具体的で一貫した魅力的な発話を行うことが確認出来た
また同じメカニズムを使用することで対話相手である人間のペルソナを考慮した自然な対話が出来るようにもなった
そしてこれらの対話は個人的で具体的な話題を交わすよう訓練されていたため対話相手のペルソナを予測出来たのだ
これらの仕組みは今後の対話システムの構成要素を訓練するための非常に有用なリソースになると考えられるだろう

ざっくりとした翻訳は以上になるが非常にシンプルな話だ
人間に置き換えてみるならネットで得られる有象無象の情報をただ撒き散らすだけの発話をしてもつまらないという
自分の立場で個人的で具体的で一貫した発話をするべきだ